ともかく読んでいる。

沼地のある森を抜けて

沼地のある森を抜けて

とてもおもしろかった。
昔の川上弘美を彷彿とさせる出だしだったけど、途中からの展開は、なかなか、どうして。「シマ」の話が独立したものとして語られているのもよかったと思う。
有性だの無性だの、そういうものを超えた現象としての「生命」について。ひとつの道が絶たれたとしても、次へと繋げていくであろう「生命」について。人間という生き物が生命最後の形ではない。

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

そうか、「小泉」も「石原」もキャラでもってたのか。納得。
日本人がキャラクター好きという前半部分はともかくとして、自分を「キャラ化」しないと不安だ、という若者の話は、なにかはっきりした形で周りから認められないと自分の存在を感じられないという、最近読んだ新書に通じる。
ここでは積極的に「自分をキャラ化」することによって、自分の理解を超える複雑な「リアルでありながらノンリアルな自分」から逃避していると書かれている。
身体にリアルを感じられず、表面上のキャラがすべてであるなら、生身の身体への嫌悪感が生じるのも当然のことなのだろう。

不連続の世界

不連続の世界

地に足が着きそうで着かない「怖い話」。
怪談なら怪談に徹したほうがよかったのになー。というか、その辺のさじ加減が、むしろ、恩田陸

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

七瀬ふたたび (新潮文庫)

七瀬ふたたび (新潮文庫)

ぎゃぶー。一気読み。『七瀬ふたたび』がまたドラマ化されるそうなので。
家族八景(家政婦は見た・エスパー編)』の救いようのなさもいいのだけど、『七瀬ふたたび』のそれはもう疾走する悲壮感。恒夫が、ううう、恒夫が。
『七瀬ふたたび』か、『ファイア・スターター』か。悩むなー。<誰も選べなんて言ってない