『キマイラの新しい城』殊能将之

「私を殺した犯人は誰なんだ?」欧州の古城を移築して作られたテーマパークの社長が、古城の領主の霊に取り憑かれた!? 750年前の事件の現場状況も容疑者も全て社長の頭の中にしかない。依頼を受けた石動戯作(いするぎぎさく)も中世の人間のふりをして謎に迫る。さらに、現実にも殺人が! 石動はふたつの事件を解明できるか!?

著者ならではの本格のいじくり具合が面白い。
「そういう悪しきリアリズムが本格ミステリをだめにしたんだっ!」って。
ともあれ、どちらかというとミステリよりもSFめいた構成がなにより面白かった。750年前の幽霊騎士のロポンギルス大活劇が最高。ちゅうか、イスルギーの名探偵レベルがどんどん下がっているような……