『小説以外』恩田陸

デビューから今日に至る14年分のエッセイを集大成。創作の舞台裏から、読書遍歴、あまり表に出ることのないその素顔まで。物語に愛された作家・恩田陸のすべてが分かる、ファン必携の一冊。

本当の本読みの人が勧める本ってのは、本当に面白そうなんだよなぁ。
「本は床に置いた途端、自己増殖する」
さもありなん。私の部屋にも増殖を繰り返す本はあれど、柱と化すほどでは……まだまだだなぁ。
けっこう長い間会社員と作家を両立させていたのは知っていたけど、そうか、『ネバーランド』の頃にやっと専業作家に。ずいぶん最近ような気がする。
二日酔いの反省も生かされずひたすらビールを飲み、読めない本を買っては山にする。作るわけでもないのに料理の本を飽かずに眺める。ああ、なんかこの人、自分に似ているような気がする。って感じてる人、けっこういるんじゃないだろうか。こういう誰でもの中にある「ああ、そうだよね」っていう部分が、恩田陸の小説が誰からも愛される所以なんじゃなかろうか。