『李白と杜甫』高島俊男

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中国唐代は高名な詩人を輩出したが、なかでも李白杜甫はひときわ強い光を放っている。七四四年、この両者は唐の副都洛陽で世に名高い奇跡的な邂逅をした。本書は、この時から一年余の交遊を振出しに、広大な中国全土を旅から旅へと明け暮れた二人の変転きわまる生涯をたどり、さまざまな詩の形式ごとに李・杜を比較、考察する。現代語訳をこころみ、李白の奔放、杜甫の沈鬱を浮彫りにした意欲作。

李白杜甫、それぞれの伝記を作品とからめて説明されているので非常にわかりやすい。後半は、それぞれの作品の特徴を挙げて違いを示している。
学生には、卒論のテーマになりそうな題材が随所にちらばっているのできっかけ作りにはよさそう。反面少しでもかじったことのある人だと、ちょっと「うーん?」てところがなきにしもあらずかも。
ただ、杜甫の「詩でしか物を言えない男」というのは面白かった。
個人的には杜甫の詩はうまいとは思うけど、李白の味のある漢詩のほうが好きだな。