『2046』立川シネマシティ2

たぶん、世間に流布しているCMや予告編なんかとは全然違う映画だね、こりゃ。
王家衛は、ひとつの映画の中にいくつもエピソードを盛り込みたい監督だということをちょっと失念していて、途中途方に暮れてしまったけど、後半から「そうか」と気づいてからはすごく面白かった。もっと早く気づけよ、自分。おかげで後からじわじわ効いてくる始末。
決して時間の進まない場所2046。あの瞬間、できたこと、できなかったこと、叶わなかった想い。そこから動けない。10分。10時間。100時間。最初から最後までトニーの表情はほとんど変わらないのに、その中に秘めたものがじわじわとにじみ出てくるようで、相変わらず素晴らしい。
どうもあの方の情報ばかりが目について、そっちのほうに気を取られすぎた。できれば頭をまっさらにしてもう一度観たい。王家衛の映画を観る、という楽しみをちょっと忘れていたようです。
と言いますか、張震がもうサブリミナル程度にしか出てこなかったのでひそかにガックリですよ。